将棋上達日記#32

人間将棋とAI将棋の違いについて思ったことを散逸的に書く。

 

①人間の長所短所

人間の脳の処理能力は凄まじいものがある。将棋に限らず見たことない局面に出会したとき、勘が働いてなんらかのアクションをすることができる。これは経験に基づいた瞬時の判断だろう。これを理屈で説明することは不可能に近いと思う。必ずしも正解を選べるとは限らないが、そういう面を将棋でも使っている気がする。これは読みの量を大幅に削減することに役に立っているのではなかろうか。

一方で、人間の単純作業の処理スピードはコンピュータに遥かに劣る。読みの削減による効率をも埋め尽くすような処理をコンピュータができるようになったことが、AIが人間に将棋で勝る要因の一つだろう。

 

人間将棋の勝ち方

人間にとってキツイのは勘が働かなくなることだろう。人間の持ち味が消えるからだ。勘が働きにくくするには、局面を複雑化させることがよい気がする。どの読みを削減するのが良いかが一気に見えにくくなるため、複雑化させると相手は混乱し自爆する。これが自分が思う人間将棋の勝ち方だ。強い人は色々な要因があるとは思うが、局面を見る力があると思う。一見複雑な局面をデフォルメして急所を見定める。その能力を身につけるための訓練方法を自分は未だ思いついていない。

 

③AI評価値と精神スポーツ

人間将棋の勝ち方は先述の通り、複雑化させて相手を困らせることだ。AIの評価値はこの観点では参考にならない可能性がある。一見複雑な局面でもAIはそれを苦にせず読んでしまうからだ。将棋は相手が嫌がることをするゲームだが、人間将棋は気分的にも相手が嫌になったほうが勝ちやすい。盤面の玉のライフのみならず、相手の精神的な体力を削ることも大事だろう。精神的な体力が減ると本来の能力が発揮できなくなることを考えると、精神を鍛える努力自体が勝率アップにつながりそうだ。その点で精神的なスポーツだろう。