チェス自戦譜#4 デイリーチェス#1

デイリーチェスの自戦譜を示し、振り返りや知見獲得をしていきたい。

自分は黒である。

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Bxc6 dxc6 5. Nxe5 Qd4 6. Ng4 Qxe4+ 7. Ne3 Bc5
8. O-O Nf6 9. Nc3 Qg6 10. Re1 O-O 11. d3 Bg4 12. Nxg4 Nxg4 13. h3 Nxf2 14. Qf3
Nxd3+ 15. Kf1 Nxe1 16. Kxe1 Qxc2 17. Ne4 Rfe8 18. Be3 Rxe4 19. Qxe4 Qxe4 20. Rd1
Qxe3+ 21. Kf1 Qf2# 0-1

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図1 : 実戦

ざっくりと対局を説明するとRuy Lopez Opening: Morphy Defenceの出だしで、少し進んだ13手目相手(白)のh3が敗着で一気に形勢が傾きそのまま勝利を収めた。

 

・序盤

Ruy Lopez Openingとは下図のような出だしのことをいう。

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図2 : Ruy Lopez Opening

ここではa6やNf6、f5等のバリエーションがある。今回は自分が知っていたパターンであるa6を選んだ。これはMorphy Defenceと呼ばれるらしい(図3)。

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図3 : Morphy Defence

この局面から相手はBxc6としたが、Ba4とするのもあり、その後はb5 Bb3と追い払った形も一局だろう。

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図4 : Qd4に対する応手のバリエーション

図4の局面ではすでに評価値が黒に傾いている。ナイトでe5のポーンを取るのは図のようにクイーンで取り返しがきくのであまり有効でもない。本譜では図4からNg4となったが、図の矢印のようにバリエーションが考えられる。もし白Nf3だった場合、黒からQxe4 Qe2, Qxe2 Kxe2と進行しキングが動くことでキャスリング権を失ってしまう(図5)。

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図5 : 白Nf3の進行

本譜に戻ろう。

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図6 : 白Ne3に対する応手のバリエーション

図6の局面で自分はBc5とした。これはf2への当たりを強めた手だ。実戦でもe〜hファイルの弱点を突くような形になった。図からわかるように候補手は沢山ある。当然ここで違う選択をすれば作戦もかなり変わってくる。具体的どの手がどれだけいいかというのは大局観に関わる部分でもあるので難しい。早く仕掛けることがないのであればお互いに駒組みを進めることになるだろう。個人的に気になったのはh5という手だ。コンピュータの推奨手でよく端のポーンを突くような手がある。どういった意味があるのかよくわかっていない。端のポーンを進めることでキャスリングした際の逃げ道であったり、端攻めの含みを持たせたりだろうか。駒組みの一種として考えれば常に頭の中に選択肢として置いておく必要があるだろう。

図7は9手目で黒の手番だ。

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図7 : 白Nc3まで

これに対してQg6と応じた。評価値を見てみよう(図8)。

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図8 : 黒9手目の候補手と評価値

これは確定値ではないが便宜上鵜吞みにする。Qg6は悪手ではない。この局面は他にも指せる手がたくさんあったようだ。候補手が多い中で時短で考えるためにはこのようなこともあると知っておいたほうが良いかもしれない。

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図9 : 黒Rae8まで

図9は11手目黒Bg4に対して白からNxg4 Nxg4 Rf1 Rae8と進んだ場合である。こうなればさらに長い対局だったろう。一度動かしたルークを戻さないといけないとすると悔しい気持ちになるだろう。Rf1でd4とする手は、少し評価値が低い。d4に対してはRae8が良い手でクイーンを脅かす(図10)。なるほどという感じだ。右ルークの活用というのはこうやってやるのかと感じた。

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図10 : 白d4だった場合

相手は13手目h3としたのが敗着だった。AIと形勢判断がほぼ一致していた。そこからは一本道という感じだった。

本対局は後半の相手の悪手ですぐに決着がついたが冷静にやりあえば色々な形が想定できた。それらをたくさん経験し大局観を獲得するのを今後の目標とする。