デイリーチェス#2-6

15手目Rfe8から局面が少し進んだ。16.Kf2 Bb6+ 17.Kg3と進んだ（下図）。

終盤の難所を迎えた。いくらマテリアル差を有しているといえど、実力的には逆転もあり得る。この局面はキングが上部に逃げ出したところだ。Kg3の代わりにKg1などとすると相手はビショップを失うことになるので、この一手だ。

さて、この局面でメイト筋はなさそうだ。相手が16手目にKf2としたのは工夫を感じる。というのも、h1のルークが使えそうになっている。相手は黒マスビショップを展開することでルークの連結が可能になり、しぶとさが増す。こちらも気を遣って戦う必要があるだろう。仮にナイトを動かすとb7のポーンが落ちてしまうかもしれない。手順に駒運びができればよいが、制約があって難しい。できれば手順にa8のルークを戦線に運びたい。チェックをかけながら相手のポーンを取るというのもやりたい。このようにどこが急所かを見つけるのが難しい。方針を立てたいが、アイデアに乏しいのが課題だ。

☆ビショップをぶつける作戦

自分のビショップと相手のビショップの交換を持ちかける作戦。相手の好位置に位置しているビショップを消すことができれば局面はよくなるだろう。2通りの手がある。①Be3 ②Be4だ。①Be3は相手のc1のビショップに狙いを定めている。この交換はあまり得に思えない。相手のルークが連結してしまうし、ビショップ交換が起こった後は相手のキングがf2に動けてしまう。一方、②Be4は相手のf3のビショップに狙いを定めている。これは①Be3と比較してやりたい手だ。こちらのナイトが動くとb7のポーンが無防備になるが、それはf3のビショップのせいだ。f3のビショップを剥がすことができれば、ナイトの可動性が高まる。さらに、この交換が起こってもc1のビショップが動かないので相手のルークは使いづらい。なので②Be4を候補手として詳しくみていきたい。

これに対する応手は何があるだろう。ビショップ取りがかかってはいるが手抜いても取り返せる形ではある。なのでビショップを取る手、ビショップを逃げる手、手抜きが考えられるだろう。①Bd1 ②Re1 ③Be2 ④Bxe4 ⑤Bg4 ⑥Bh5。これらを検討してみよう。

①18手目白Bd1

これはビショップ交換を避けた手。a1ルークの活用が尚の事難しくなり、b7への当たりも消えるため筋の良くない手。Bb3という転換の味もあるにはあるが、遅いだろう。

評価:☆☆★★★（星の色とプレイヤーの色を対応づけている）

②18手目白Re1

この手に対しては手抜きは許されない。なのでBxf3を強制する意味がある。お互いにルークを1個消費することになり、ナイト得を活かした終盤の戦いができるかどうかが問題だ。相手はキングが前面に出てきており、こちらは頓死しないかを意識しないといけなくなるだろう。忙しくなるような手という感じ。図から黒がBxf3とし、19.Rxe8 Rxe8 20.gxf3 Rf1と進んだ図を下に示す。

キングはルークとビショップのせいで可動域が狭い。さらにビショップが動けない形だ。このように縛っておけばナイトを積極的に活用できそうだ。

評価:☆★★★★

③18手目白Be2

この手はこちらが手順にピース展開するのが難しい。Re6としてg2の地点を間接的に狙っていく方針になるだろう。相手はRg1としてg2を守りたいがビショップが効いているためそれはできない。

評価:★★★☆☆

④18手目白Bxe4

これに対してRxe4の一手だが、その次が難しいだろう。どのような応手に対してもRae8があり、強力な連携攻撃が期待できる。

評価:★★★★☆

⑤18手目白Bg4

この手に対してはNe5と進めるのはどうだろう。手順にナイトを繰り出していくのは気持ちのいいことだ。しかし、他の手順と比べたら喜びが少ない印象だ。相手はこの手を選んでくる可能性が高い。

評価:★★★☆☆

⑥18手目白Bh5

この手に対してはRe5がある。⑤と似ているが、ビショップ取りに当てながらルークを押し出せるため楽しみが大きい。

評価:★★★★☆

いろいろ軽く読んでみた結果Be4という手は形勢を維持できると見たのでこれでいきたい。次の記事の頃は終盤といっていいが、そこではメイトに関する知見が必要となろう。そこでは大局的ではなくしっかりと読みを入れたい。