将棋上達日記#13

将棋の手を調べるのは数学の場合の数という単元に似ている。原則全ての手(数学なら場合)を書き出せば答えがわかる。これは基本中の基本である。

 

しかし、全ての局面を調べるのは現実的に(コンピュータ)を使っても不可能だ。この課題は2つの手段で部分的な解決が可能だ。それらは、

①王手がかかってからのしのぎや詰みの場面

②大局観による書き出しの省略

である。

②は実際には解決策にはなっていないが将棋というゲームにおいて重要なことだ。①を地道に重ねた結果②が可能になるというステップで棋力が向上すると思っている。

 

自分は将棋の感覚に乏しいため①のプロセスを地道に行う必要がある。①というのは詰将棋をはじめとする終盤戦のドリルをこなすことに相当する。金子タカシ著の『凌ぎの手筋』という本では王手から逃れることで1手稼ぐ練習ができる。王手の逃れ方は玉を動かす、合駒をする、王手している駒を取る、だ。厄介なのが持ち駒からの合駒だけで7種類あり得る。2回持ち駒を使って合駒する場合、下手すれば49通りを考えないといけないため気が遠くなる。しかし、実際はそこまでしなくていい場合がある。というのも1回目の合駒の時点ですぐに詰んでしまうような場合は2個目を考えなくてよい。他には同じ機能の駒は等価で考えられたりもする。このように49通りあるようで絞り込みが可能なのである。数学の場合の数も似ていて、異なるサイコロ2つの出目のバリエーションはわざわざ書き出さなくても6×6で計算が可能だ。要は終盤の部分的な局面においては場合の数を全て書き出す必要などなく、将棋というゲームの性質上考えなくてよいものを捨象していけばよい。

 

②で触れた大局観は才能もあるだろうが①の積み重ねが直感をいい方向に修正していくため、訓練で得られるのではないかと思っている。これは実戦で成果が現れるものだろう。